2024.01.26
BtoBの集客で動画広告に初挑戦!Cre Tech Forceを活用し、CPAは25%改善、静止画より効率的にCV獲得
〜株式会社鎌倉新書のCre Tech Force活用事例〜
(写真左より)
株式会社鎌倉新書 アセットマネージメント事業部 / Web・マーケティンググループ グループマネージャー 稗田 麻衣様、コンサルティング第2グループ グループマネージャー 柳田 亮様
株式会社AViC 第1マーケティングDX本部 / 本部長 奥川 哲史、クリエイティブディレクター 松井 さら
株式会社鎌倉新書様では「終活」のお手伝いを通じて社会に貢献することをポリシーに、仏事や相続・介護等の専門業者とユーザーをマッチングする様々なWebメディアを展開されています。「相続費用見積ガイド」は昨年同社の新規事業としてスタート。士業の集客にWeb広告を活用したいとAViCにご相談いただきました。
ニッチなターゲットの集客にあたり、AViCでは動画広告を提案。AIの力でクリエイティブを定量分析する独自サービスCre Tech Force(クリ テク フォース、詳細はこちら)を活用し、PDCAを回したところ広告効果は大きく改善しました。
動画広告をスタートするまでの変遷、Cre Tech Forceを活用したクリエイティブ分析の仕方や仮説の導き方、広告効果について同社の稗田様、柳田様にお話を伺いました。
【ご支援前の課題】
・新規事業でWebマーケティングに挑戦したいが、BtoB領域で広告出稿の経験がない
・士業というニッチなターゲットをWebでどのように集めるのか知見がない
【ご支援後の成果】
・動画でPDCAを回し、開始初月から3ヶ月でCPAが-25%
・静止画と比較してもCPAが-23%と効率的にCV獲得
新規事業のBtoB集客を支援してほしい、とAViCに相談
―事業内容と、これまで展開してきたマーケティング活動について聞かせてください。
稗田:当社は1984年に仏壇・仏具の専門書を取り扱う出版社としてスタートしました。現会長、清水への代替わりを機に、業界向けの雑誌の出版や業界向けのコンサルティング業務などを展開し始め、2000年ごろから仏事の専門業者とユーザーをマッチングするWebサービス会社へとモデル転換しました。現在はそこからさらに事業を拡大し、相続や介護など、供養+αの「終活」という分野でマッチングサービス事業を展開しています。
私と柳田が所属するアセットマネージメント事業部では、相続手続き案件をメインに、引き継いだ実家や不動産の売却支援などもしています。
柳田:AViCさんにサポートをお願いしているのは、「相続費用見積ガイド」の集客です。相続手続きの費用を複数の専門家に一括で見積もり依頼できる無料サービスで、相続手続きを依頼したいユーザー様の集客に加え、専門家である士業の先生方の集客をお願いしています。
稗田:「相続費用見積ガイド」は昨年立ち上がったばかりの新規事業です。前身となるサービスでも士業さんの集客をしており、当時は定期的にリストを作成して電話掛けをしていました。昨年、サービスリリースのタイミングでLPを作り、Webでも集客をしようと広告代理店数社にお声がけし、コンペを実施しました。
当社の事業理解度の深さや、プレゼンが抜群に素晴らしかったことから、迷うことなくAViCさんに決めました。
士業というニッチターゲットの獲得を目指して、動画広告に挑戦
―集客面ではどのような課題がありましたか?
稗田:士業さんの集客で広告出稿をしたことがなかったので、どこに広告を出したらいいのかわからなかったのですが、AViCさんからMeta広告に挑戦した方がいいと提案を受けました。
ただ別事業でWeb広告の出稿はしていてもリスティング広告がメイン。静止画のクリエイティブを作ったこともありませんでした。
―士業をどのように集客したのか。取り組み内容を聞かせてください。
奥川:最初はリスティング広告からスタートしました。「司法書士 集客」「司法書士 ホームページ作成」など、ターゲットが検索しそうなキーワードで一定の検索ボリュームがあったのですが、出稿してみるとなかなかクリックされず…という状況でした。クリック単価も高く、コンバージョンも出ない状況が続きました。
同時並行で準備していたMeta(Facebook)広告では、プッシュ型で静止画を配信しました。ただ1枚の静止画にサービスの全容を表現する難しさもあったので、動画広告の提案をさせていただきました。
Cre Tech Forceで動画広告のPDCAを回す
―動画広告はどのような仮説のもとクリエイティブを制作しましたか?
松井: Facebook広告の静止画で40代〜70代の士業さんを獲得できていたので、ミドル世代・シニア世代を意識して内容を組み立てました。効果の比較ができるよう、クリエイティブは2パターン用意しました。
なかでも大切にしたのは、冒頭での呼びかけです。「士業の先生方」と最初にアテンションを入れることを意識しました。
<Aパターン>
Aパターンでは女性が「動画を最後までみてください」とお願いをするアテンションからスタート。登録によるメリットやたくさんの実績があること、東証プライム上場企業が運営しているという安心感、資料請求は30秒でできるという手軽さなど、サービス内容をイメージできる内容にしました。
<Bパターン>
Bパターンでは冒頭に男性が登場。ターゲット層を考えると細々情報を伝えるよりもシンプルに訴求した方がいいという仮説のもと、集客サービスであることや、登録のメリットを端的に紹介し、資料請求へと誘導しました。
Cre Tech Forceで効果の良い動画と悪い動画の差分を定量分析
―配信結果を教えてください。
松井:Aパターンの方が総じて効果が良く、Bパターンと比較してCVRが2倍近く高いという結果が出ました。
Cre Tech Forceで詳細分析したところ、その差分が明らかになりました。
・Aパターンの方が、1コマ1コマを若干ゆっくり見せている
・Aパターンの方が、1コマ当たりに含む情報量が多い
ターゲットの年齢層を考慮すると、早い展開で情報を出すより、しっかり読み込めるスピードで情報を出した方がいいことがわかりました。
また動画の構成内容を比較したところ、AパターンではサービスUIやサービスロゴを掲載して商品をしっかり表現しています。「スピード」「簡単」「安心」といったサービスの特徴を伝える表現がBパターンと比較してユニークなこともわかりました。
これらの分析から、冒頭のアテンションは女性で、シーン展開をゆっくり丁寧に見せながら“何のサービスなのか”“どんなサービスなのか”が伝わりやすい情報設計が効果的であると仮説を立てました。この仮説をもとにCパターンを制作しました。
分析結果をもとに、新たな動画広告を制作。勝ちパターンが明確に
―Cパターンの動画をどのように設計したのか、ポイントを聞かせてください。
<Cパターン>
松井:アテンション獲得に女性の登場が有効と考え、女性が「登録してください」とお願いをするアテンションからスタートしました。また、サービス内容を丁寧に説明した方が登録率が高まるという仮説から、サービス内容を厚めに解説する設計にしました。
―配信結果はいかがでしたか。
松井:Aパターンには勝てませんでした。CTRは同水準でしたが、CVRは半値以下という結果でした。
そこで再度、Cre Tech Forceを活用してAパターンとCパターンのクリエイティブ比較を行いました。
Aパターンではサービス紹介の前に、売上が増えるなど仕業さんにとってのメリットを入れています。これが刺さったのではないかという新たな仮説が生まれました。ちょうど同時並行で進めていた静止画の広告でも、メリットを訴求したバナーが勝ちパターンという結果が出ており、この仮説の説得力がさらに高まりました。
分析結果を踏まえてもう一度動画をブラッシュアップし、Dパターンを制作。冒頭で女性が「伝えたいことがあります」と呼びかけ、登録すると集客が増えるというメリットやサービス概要を伝え、簡単に登録できるという流れにしました。結果、Aパターンより良い結果が出たので、動画広告における勝ちパターンがわかりました。
動画広告で、静止画より低いCPAを実現
―一連の取り組みによる効果を教えてください。
松井:動画広告の効果を時系列で追うと、一連の取り組みを実施した3ヶ月間でCVRは1.3倍、CTRは1.4倍、CPAは-25%になりました。各指標でパフォーマンスが大きく改善し、Cre Tech Forceの分析によってPDCAをしっかり回せていたことがわかります。
また、動画の方が静止画と比較してCVRが2倍近く高く、CPAも低いという結果になりました。静止画だけではなく、動画広告を配信したメリットは非常に大きいという結論に至りました。
クリエイティブの定量分析で、提案に納得感が生まれる
―動画広告は御社にとって初めての取り組みでしたが、新しい気づきはありましたか?
柳田:士業の先生方を集めるにあたり、我々の方でもペルソナを設定していました。当初の仮説では、士業の先生方は論理的な方が多いからこそ、メリットを数値的に落とし込むなど、訴求においても論理的であることが大切だと考えていました。
ところが実際に広告を配信すると、男性よりも女性がお願いをしているような感覚的に訴えるようなアテンションが効果的だったと、予想外の反応がありました。自分たちだけではこういう動画を作ろうとはまず考えなかったでしょう。数々の動画広告を制作しているAViCさんならではの知見で、意外な発見でしたね。
― Cre Tech Forceを活用するメリットをどのようなところに感じましたか?
稗田:ターゲットに響く内容を定量的に分析し、可視化してもらえる点にメリットを感じました。分析結果は数値で細かく見せていただけるので、提案に説得力があります。
人が分析すると効果の良い理由、悪い理由が曖昧なままPDCAを回すしかありません。分析も浅く、根拠が曖昧な状態で次の仮説検証に進み、結果として効果が悪化することもありますよね。
その点、Cre Tech Forceは最新のAIを活用しているので分析の仕方も結果も、非常に納得感があります。Cre Tech Forceなしで同じレベルの仮説を出すのは難しいと思うので、素晴らしいと感じています。
柳田:私も稗田と同じく、分析結果を定量的なデータで示してくれる点にメリットを感じています。クリエイティブ分析はどうしても定性的な話や、感覚的な話に陥りがちです。その点、Cre Tech Forceでは「こんな数字が出ているので、こんな仮説が考えられます。次回はこう変えましょう」と納得感を持って進められるんですよね。
― 今後の動画広告の展開や、AViCとの取り組みの展望について聞かせてください。
稗田:今回の取り組みでとても良い手応えを得られたので、動画広告には引き続きチャレンジしていきたいです。BtoB領域で得たノウハウを横展開し、BtoC領域での展開も考えています。
今回お願いをしている「相続費用見積ガイド」は新規事業で課題も多いですが、AViCさんとはLPや登録フォームの改善にも一緒に取り組んでいます。広告も毎月改善を重ね、効果は順調に上がっています。2024年以降もより多くのお客様に使っていただけるよう、引き続きサポートいただければと思います。